避妊・去勢手術について

Spay/Neuter Surgery

  • 避妊去勢手術のメリット・デメリット
  • 手術の適正期
  • 当院の施術の特徴
  • プラン
  • 費用
  • よくある質問

避妊去勢手術のメリット・デメリット

避妊去勢手術のメリット、デメリットとは、つまり、性ホルモンを完全に喪失させることによる長期的影響のことを指します。
特に犬においては、生殖器系の病気を防ぐ一方で、代謝や免疫、整形外科に与えるデメリットが無視できないことが分かっています。
「必ずやらなければならない」という手術ではありません。下記のメリット・デメリットを良く理解したうえでご決断ください。

不妊手術後の問題行動(マーキング・スプレー等)の残存率

不妊手術によって性ホルモン(テストステロン等)はなくなりますが、すでに学習した習慣や、不安・ストレスに基づく行動は残る可能性があります。

動物種・性別対象となる行動術後の残存率(エビデンスデータ)
猫 (雄)尿スプレー(マーキング)性成熟前に手術を行った場合でも、**約10%**の雄猫で尿マーキングが残存(または発生)することが認められています。
猫 (雌)尿スプレー(マーキング)性成熟前に手術を行った場合でも、**約5%**の雌猫で尿マーキングが認められます。
犬 (雄)尿マーキング、徘徊、マウンティングある大規模調査では、「60%以上の犬で行動が半分以下(50%改善)に減る」ものの、「**90%以上の改善(ほぼ消失)に至ったのは25〜40%**の犬に留まる」と報告されています。※マウンティングは経験がある(習慣化している)犬では手術後も持続することが多いです。
犬・猫共通人や他の動物への恐怖・不安による攻撃性性ホルモンに依存しない恐怖ベースの攻撃性は、不妊手術では改善しません。むしろ早期の去勢によって不安感が増し、見知らぬ人への攻撃性が悪化するケースも報告されています。

手術の適正期

以前は動物種・品種にかかわらず「6ヶ月齢」での手術が推奨されていましたが、現在では動物種・品種によって時期をずらすことが推奨されています。犬において、早期の性腺摘出(特に1歳未満)が関節疾患(股関節形成不全や前十字靭帯断裂など)や特定のがんのリスクを有意に高めることが、特に大型犬で判明しています。
一方、猫や小型犬ではそのリスクは低いです。

避妊去勢手術の術式とメリット・デメリット

「ホルモンを完全に無くす」従来の手術だけでなく、健康被害を避けるために「ホルモンを残す」術式も選択肢として提示されるようになっています。

当院の施術の特徴

手術と、その先のことを考えた
「PVP」というアプローチ

「手術後、病院嫌いに…」そんなお声をよく耳にします。
「しつけは家庭の問題」と、動物のストレスを見過ごしがちな獣医師も少なくありません。しかし、ペットにとって動物病院は大きなストレス源。人間の子供と同じように、恐怖を感じることもあります。当院長は日本獣医動物行動学会の一員として、以前から動物病院におけるストレス軽減策を深く追求してきました。
その有効な対策の一つが、手術前に行う「PVP(Pre-Visit Pharmaceuticals)=来院前投薬」です。ご来院の90~120分前にご自宅でリラックス剤を飲ませていただくことで、通院時の興奮を抑え、精神的な負担(PTSD)の発生頻度を低減します。PVP導入以前は、嫌がる動物を無理に押さえつけたり、鎮静処置が必要なケースも少なからずありましたが、今ではその頻度は大幅に減少しました。
当院は「ただ避妊手術を行う」のではなく、「すべてのペットの生涯を見据えた避妊手術」であるべきだと考えます。動物たちが病院を少しでも好きになれるよう、これからも最善のケアを追求してまいります。

徹底した疼痛管理で
痛みを限りなく0に

麻酔リスクを上げる要因の一つに「痛み」があります。
「動物は痛みに強い」そう切り捨ててきた動物病院の黒歴史は、近年否定されています。

動物も人同様に痛みを感じ、痛みは血圧(循環器)・血液pH・麻酔の効き目へ悪影響を与えることがわかっています。電気メスを使用しても、全身に電流がなれることで熱性疼痛が生じるため、決して無痛ではありません。

当院では安全性を確保するため、どの施術においても国際ガイドラインに準拠した麻酔疼痛管理計画書を作成します。また、他院では省かれがちな局所麻酔・領域麻酔も駆使して多角的な鎮痛処置(マルチモーダル鎮痛)を実施しています。痛みに敏感な患者様については麻薬性鎮痛剤を使用した施術もご提案可能です。


声門上気道デバイスを用いた
一歩先の呼吸管理

手術や検査の際に麻酔をかけるときは、酸素や麻酔の濃度をしっかりとコントロールし、安全に呼吸を保つことがとても大切です。そのために一般的には「気管チューブ」という細い管を気管に入れて麻酔管理を行います。

ただし、この方法には気管や声帯を傷つけるリスクや、誤って食道に入ってしまう・肺炎や呼吸のトラブルが起きるといった可能性があります。特に猫ちゃんや短頭種(フレンチブルドッグなど)では、気管が細くデリケートなため、術後に後遺症が残ることもあります。

マスクを顔に当てて麻酔をかける方法もありますが、空気がたまる余分な空間(死腔)が増えてしまい、呼吸管理が難しくなることがあります。特に、心臓や肺が弱い子には注意が必要です。

当院では、麻酔のリスクをできるだけ減らすために、声門上気道デバイスという新しいタイプの器具を使用しています。この方法では、声帯を保護しながらも安全に呼吸をサポートでき、気管チューブに比べて体への負担が少ないのが特徴です。

これまで多くの手術で使用しており、院長自身が安全性を確認したうえで導入しています。使えない症例も一部ありますが、「できるだけ安全に、できるだけ快適に」、麻酔管理にも細心の注意を払っています。

最適な術式を提案

当院では、世界小動物獣医師会(WSAVA)の最新ガイドラインに基づき、その子に最適な術式をご提案します。

避妊手術では、子宮に異常がない場合、獣医学的にメリットが大きく痛みの少ない「卵巣のみの摘出」を推奨しています(従来の子宮・卵巣両方の摘出も可能です)。 去勢手術は「精巣全摘出」が基本ですが、大型犬などでホルモン喪失に伴う健康リスクを避けたい場合、「精管切除術」という選択肢もご相談いただけます。

また、抜糸不要でストレスを減らす「皮内縫合」など、エビデンスに基づく安全で動物に優しい手術を実践しています。お気軽にご相談ください。

プラン

プランベーシックスタンダードプレミアム
PVP処方
簡易血液検査××
精密血液検査×
血液学的心臓病検査××
精密心電図検査×
胸部レントゲン検査××
血圧測定××
静脈内留置針
栄養点滴
全身麻酔
乳歯抜歯術
(無制限)
×
周術期昇圧剤投与
周術期鎮痛剤追加投与
局所麻酔
吸収性縫合糸
皮内縫合
術式選択
痛み止め注射
強オピオイド鎮痛
(レミフェンタニル)
××
硬膜外鎮痛麻酔××
止血剤2種注射
抗生剤注射
術後鎮痛剤処方
手術前後酸素管理
入院費
お手入れセット×
術後服・ネッカー貸し出し×

費用

▼男の子の手術料金はこちら

動物種体重ベーシックスタンダードプレミアム
40kg以上¥38,500¥41,800¥47,300
30~40kg¥35,200¥38,500¥44,000
20~30kg¥31,900¥35,200¥40,700
10~20kg¥29,700¥33,000¥38,500
5~10kg¥27,500¥30,800¥36,300
3~5kg¥26,400¥29,700¥35,200
3kg未満¥25,300¥28,600¥34,100
5kg以上¥22,000¥27,500¥33,000
3~5kg¥19,800¥25,300¥30,800
3kg未満¥16,500¥19,800¥25,300

▼女の子の手術料金はこちら

動物種体重ベーシックスタンダードプレミアム
40kg以上¥51,700¥55,000¥60,500
30~40kg¥48,400¥51,700¥57,200
20~30kg¥44,000¥47,300¥52,800
10~20kg¥40,700¥44,000¥49,500
5~10kg¥37,400¥40,700¥46,200
3~5kg¥36,300¥39,600¥45,100
3kg未満¥35,200¥38,500¥44,000
5kg以上¥33,000¥36,300¥41,800
3~5kg¥27,500¥30,800¥36,300
3kg未満¥22,000¥25,300¥30,800

▼お選びいただける各種オプションの料金はこちら

項目説明費用
胸部レントゲン検査(2枚)高精度デジタルレントゲンで胸部を確認します¥3,300
腹部レントゲン検査(2枚)高精度デジタルレントゲンで腹部を確認します¥3,300
整形レントゲン検査(6枚)股関節・膝関節をあらゆる角度で撮影します¥6,600
呼吸器レントゲン検査(動画)咽頭部の状態をレントゲン動画撮影機器で確認します¥3,300
腹部超音波検査超音波で腹部臓器の状態を確認します¥3,300
循環器超音波検査超音波で心臓の状態を確認します¥3,300
精密血液検査徹底的な59項目測定で詳しく内蔵を検査します¥6,600
精密心電図検査心臓の異常や自律神経系のバランスを確認します¥550
血圧測定手術前(平常時)の血圧測定を行います¥3,300
抗体検査混合ワクチンの効果が得られているかを確認します¥8,800
持続性抗生剤注射2週間効果持続する抗生剤です¥2,200~
強オピオイド鎮痛薬強オピオイド鎮痛で痛みを0に近づけます¥4,400~
マイクロチップ挿入環境省準拠の世界最小マイクロチップを挿入します¥4,400
お手入れ(セット)爪切り・肛門腺・足裏バリカン・耳掃除をおこないます¥1,650
お手入れ(単品)お手入れのうちどれか一つだけをおこないます¥1,100
乳歯抜歯(1本)乳歯を抜いて乳歯遺残によるトラブルを予防します¥1,100
エリザベスウェア
※猫の去勢以外
手術患部を保護する術後服¥3,300~
ネッカーレンタル料
※猫の去勢以外
傷口を気にしてしまう場合にお貸しします一日当たり¥110

▼陰睾など追加料金はこちら

項目説明費用
再診料¥550
皮下陰睾鼠径部に停滞している睾丸をとりだします¥3,300
腹腔内陰睾腹腔内にある精巣を摘出します避妊手術料金になります
ノミ・マダニ駆虫処置予防されていないときもしくは寄生が確認された際に実施します¥1,340~

よくあるご質問

手術の前に受診が必要ですか?

状態の確認(精巣や腹壁ヘルニアの有無など)や手術のプラン説明、術後服のサイズチェックなどのため必ず事前にご通院ください。その際、アプリなどから通常の診療でご予約ください。

手術の予約はウェブからできますか?

手術のご予約はお電話でのみ承っております。下記電話番号までおかけください。

初めて診察に伺う際、何か持って行った方がいいですか?

以前他院にかかられていた場合は、お薬や診断結果などがわかるものをご持参いただけるとスムーズに診察ができます。

全身麻酔が怖いのですが、どうしても手術しなければなりませんか?

当院ではアメリカ麻酔科学会が制定した術前麻酔リスク評価を用いて麻酔リスクを評価し、具体的な麻酔リスクをパーセンテージでご提示いたします。100%安全な麻酔は存在しませんので、その数値を見て不安に思われる場合には手術をせず、定期的な健康チェック(年1~2回)を受けることで病気の早期発見に努めることをおすすめいたします。

PVPというおくすりは必ず飲ませなければなりませんか?

PVPは手術の日の朝、来院前90~120分前に飲んでいただきます。なるべく薬のみの投与を推奨していますが、少量のおやつは許容しております。飲ませるのが大変だったり、大きなストレスになる場合には無理に飲ませずにご来院ください。

自治体の避妊去勢補助金は使えますか?

当院では現時点でTNR事業に参加していないため、補助金は使用できません。また、周辺自治体の猫の避妊去勢手術へ補助金は、原則として「保護猫団体」を介したものに限定されています。個人の方が自治体から補助金を受け取ることは現状できません。詳細は各自治体HPをごらんください。避妊去勢チケットを使用されたい方は対応病院へお問い合わせください。

東村山市「地域猫活動支援事業」

所沢市「猫に関するご案内」

公益財団法人どうぶつ基金

支払い方法は何がありますか?

当院では各種クレジットカード・電子マネーをご利用いただけます。

保険は使えますか?

一般的に避妊手術および臍ヘルニアなどの先天性疾患は保険適応外となります。具体的な内容は各社保険窓口へお問い合わせください。

入院が必要ですか?

男の子は原則日帰り、女の子は原則一泊入院となります。男の子でも腹腔内陰睾などで開腹手術いなった場合や術後の状態が安定しない場合には延泊となる可能性があります。

手術を受ける前に混合ワクチン・狂犬病ワクチン接種が必要ですか?

当院では院内感染を防ぐ目的で、皆様に混合ワクチンおよび狂犬病ワクチン、ノミ・マダニ駆虫処置をお願いしております。自宅にて予防しているにも関わらず院内にて寄生虫感染が確認された場合には追加で駆虫処置を施こさせていただきます。

野良猫は安く手術してくれますか?

当院はTNR(捕獲、避妊、リリース)活動は行っておりません。そのため、野良猫・地域猫ということで費用が安くなることはありません。

入院中の面会は可能ですか?

基本的に面会は可能ですが、スタッフまでお問い合わせください。
なお、面会は診療時間内となっております。

いつも呼吸がガァーガァー言って苦しそうにしていますが、手術してもらえますか?

ガチョウ様呼吸(ガァガァ)やいびき(ズーズー)といった症状を呈している場合、麻酔リスクが上昇します。御理解の上お申し込みください。特に重度の短頭種気道症候群と判断される場合、術後に急変する可能性が顕著に高くなります。一般的には短頭種気道症候群の治療(内科・外科)が優先的になりますので、避妊去勢手術の受け入れをお断りすることがあります。