どのような病気か

感染すると、そうめん状の寄生虫が心臓や肺動脈に寄生します。初期は無症状ですが、進行すると咳・呼吸困難・腹水などが現れます。重症化して「大静脈症候群」を引き起こすと、致死率は極めて高くなります。

高齢犬での発症が多い一方、2歳の大型犬で発症し、治療の甲斐なく亡くなってしまったケースも個人的に経験しています。

犬だけの病気ではありません

  • 猫への感染:猫も感染します。診断が難しく、咳・嘔吐、あるいは「突然死」の原因になることもあります。
  • 人獣共通感染症:極めて稀ですが、人にも感染し、肺に肉芽腫を作ることがあります。

検査と予防

フィラリア予防薬は法律により「要指示医薬品」に指定され、獣医師の指示なしに処方できません。すでに感染している個体に投与するとショック反応(ミクロフィラリア反応)により命に関わるため、一部の例外(猫・子犬など)を除き、事前検査が必要です。

⚠ フィラリア検査なしで予防薬を処方するリスク

1. 法的な側面:要指示医薬品は「獣医師による診察と処方」が義務(獣医師法第18条)。予防薬処方前には抗原検査・ミクロフィラリア検査の実施が必要です。

2. 獣医療ガイドライン:米国犬糸状虫学会(AHS・2024年改定)は、7ヶ月齢以上または過去12ヶ月以内に検査記録のない犬への処方前検査を強く推奨しています。

例外として認められる場合

① 蚊のいない時期生まれの子犬への初回投与(必ず獣医師の診察・指示のもとで)

② 猫への投与(適正宿主でないためリスク低、ただし感染疑いがあれば検査推奨)

③ 産業動物における定期的な健康把握(犬猫の直接適用ではない)

治療

「駆虫薬による治療」や「外科手術による摘出」がありますが、いずれも血管の閉塞・ショック症状など身体への大きな負担とリスクを伴います。
そのため「予防こそが最大の治療」です。月1回の予防薬投与でほぼ100%防ぐことができます。

投薬期間とHDUについて

当院では地域の気温から蚊の体内でのフィラリア幼虫の成長を予測するHDU(Heartworm Development Unit)という科学的指標に基づき、関東地方の推奨投薬期間をご案内しています。

関東地方での推奨投薬期間
5月〜12月(8ヶ月間)
※飼育環境によっては冬季も蚊が確認される場合があります。マダニは一年中活動するため、通年予防も選択肢の一つです。

フィラリア予防薬について

当院取り扱い薬剤一覧です。一部薬剤は取り寄せとなります。

クレデリオプラス
月1回・フレーバー錠
フィラリア+ノミ+マダニ+その他
パナメクチン錠S
月1回・錠剤
フィラリア
アドボケート
月1回・スポット
フィラリア+ノミ+その他

取り寄せ
ネクスガードスペクトラ
月1回・フレーバーチュアブル
フィラリア+ノミ+マダニ+その他

取り寄せ
プロハート12
年1回・注射
フィラリア
レボリューションプラス
月1回・スポット
フィラリア+ノミ+マダニ+その他
ブラベクトプラス
3ヶ月に1回・スポット
フィラリア+ノミ+マダニ+その他
アドボケート
月1回・スポット
フィラリア+ノミ+その他

取り寄せ
ネクスガードキャットコンボ
月1回・スポット
フィラリア+ノミ+マダニ+その他

取り寄せ

検査費用

当院では、国際的に広く汎用されている「米国犬糸状虫学会ガイドライン(2024年改定)」に準拠した検査法を採用しています。
通年予防中であっても検査を推奨しています。希望されない場合はリスクを十分ご理解の上ご受診ください。

検査名費用(税込)備考
フィラリア検査セット
ミクロフィラリア直接検査+成虫抗原検査
通常はこちら
1,980円心臓病がある場合は動物保険適応可。
結果は数分で判明。
ミクロフィラリア集虫検査
Knott変法
1,650円直接検査の信憑性が疑われる際に追加実施。動物保険適応可。結果は15分ほどかかります。

おくすりの費用

🌿 まとめ買いキャンペーン(3月より開始予定)

予防推奨期間のまとめ買いで最大25%オフ!

8ヶ月分(5〜12月)
−15%
9ヶ月分
−20%
12ヶ月分(通年)
−25%

※値引き購入後の返品・返金には対応いたしません。あらかじめご了承ください。

下記の表はすべて値引き後の価格(税込:円)です。スクロールしてご確認ください。

🐶 犬用
クレデリオプラス®(犬)
エランコ フレーバー錠・月1回
規格体重(kg)1ヶ月分8ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
S1.7〜2.8以下2,42016,46017,43021,780
M2.8〜5.5以下2,64017,96019,01023,760
L5.5〜11以下2,75018,70019,80024,750
LL11〜22以下2,97020,20021,39026,730
XL22〜45以下3,41023,19024,56030,690
XL+M45〜50.5以下4,40029,92031,68039,600
XL+L50.5〜564,95033,66035,64044,550
ネクスガードスペクトラ®(犬)
日本全薬工業 フレーバーチュアブル・月1回 ※取り寄せ
規格(mg)体重(kg)1ヶ月分8ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
11.31.8〜3.62,75018,70019,80024,750
22.53.6〜7.52,86019,45020,60025,740
457.5〜153,08020,95022,18027,720
9015〜303,41023,19024,56030,690
18030〜603,63024,69026,14032,670
パナメクチン錠S®(犬)
明治アニマルヘルス 錠剤・月1回
規格体重(kg)1ヶ月分8ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
S34〜5.68805,9906,3407,920
S685.7〜11.39906,7407,1308,910
S13611.4〜22.61,3208,9809,51011,880
S27222.7〜45.31,65011,22011,88014,850
S272+S6845.4〜56.61,87012,72013,47016,830
S272+S13656.7〜67.92,09014,22015,05018,810
アドボケート®(犬)
エランコ スポット・月1回 ※取り寄せ
規格体重(kg)1ヶ月分8ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
0.4ml1〜41,98013,47014,26017,820
1ml4〜102,20014,96015,84019,800
2.5ml10〜252,42016,46017,43021,780
4ml25〜402,64017,96019,01023,760
4ml+1ml40〜503,96026,93028,52035,640
プロハート12®(犬)
ゾエティス 注射・年1回(値引き対象外)
体重(kg)12ヶ月分(税込)1ヶ月あたり
〜2.5未満11,000917
2.5〜5未満12,1001,008
5〜10未満14,3001,192
10〜15未満15,4001,283
15〜20未満16,5001,375
20〜25未満17,6001,467
25〜30未満18,7001,558
30〜40未満20,9001,741
40〜50未満23,1001,925
50〜60未満25,3002,108
🐱 猫用
レボリューションプラス®(猫)
ゾエティス スポット・月1回
規格体重(kg)1ヶ月分8ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
0.25ml〜2.51,54010,48011,09013,860
0.5ml2.5〜51,65011,22011,88014,850
1.0ml5〜101,76011,97012,68015,840
ブラベクトプラス®(猫)
MSDアニマルヘルス スポット・3ヶ月に1回 ※取り寄せ/全規格同料金
規格(mg)体重(kg)3ヶ月分6ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
112.5mg1.2〜2.84,9508,42011,88014,850
250mg2.8〜6.254,9508,42011,88014,850
500mg6.25〜12.54,9508,42011,88014,850
アドボケート®(猫)
エランコ スポット・月1回 ※取り寄せ
規格体重(kg)1ヶ月分8ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
0.4ml1〜41,98013,47014,26017,820
0.8ml4〜82,20014,96015,84019,800
ネクスガードキャットコンボ®(猫)
日本全薬工業 スポット・月1回 ※取り寄せ
規格体重(kg)1ヶ月分8ヶ月(−15%)9ヶ月(−20%)12ヶ月(−25%)
S0.8〜2.51,76011,97012,68015,840
L2.5〜7.51,98013,47014,26017,820

よくある質問(FAQ)

犬糸状虫の感染は蚊が媒介することで成立します。ミクロフィラリア(幼虫)を含む血液を蚊が吸い、蚊の体内で感染能のある第3期幼虫(L3)に発育。その後、別の犬を吸血する際にL3が伝播されます。
フィラリア予防薬は犬の体内に侵入した幼虫を駆虫し成虫への発育を阻止する薬剤です。感染源・媒介蚊・適切な温湿度があれば、犬種・年齢・性別を問わず感染リスクがあるため、毎年の予防が最も重要です。
フィラリア陽性の犬に予防薬を使用すると、体内のフィラリアが急激に死滅しショック反応(ミクロフィラリア反応)を起こし命に関わる危険があるためです。休薬期間明けや初回投与前には必ず検査が推奨されます。
「ヒートアイランド」現象により、寒冷期でも媒介蚊が活動できる微小環境が存在します。また都市居住性の蚊(ヒトスジシマカ)は3〜8km/日の飛翔が可能で、マンションの室内へ侵入するリスクも否定できません。伝播リスクがゼロになることは決してありませんので、かかりつけ医にご相談ください。
7ヶ月齢以上のすべての犬に対して、年1回の抗原検査とミクロフィラリア検査を推奨しています。感染から成虫の抗原・ミクロフィラリアが検出されるまでに最短5〜6ヶ月かかるため、予防開始月(5月)の1ヶ月前、つまり4月からの検査が有用です。
コリー系の一部犬種にはMDR1遺伝子変異を持つ個体がいます。この変異によりイベルメクチンやミルベマイシンなどML系薬剤への感受性が高まりますが、FDAで承認されている予防用量においては安全性が確認されています。過去に副作用があった・不安な場合は必ず獣医師にお伝えください。
すみやかに動物病院で抗原検査とミクロフィラリア検査を実施してください。たった一度の投与忘れでも感染するリスクがあります。検査結果に応じて、適切な手順で投薬を再開・変更する必要があります。
フィラリア予防薬は要指示医薬品のため、獣医師の処方・指示なしには購入・販売・譲渡できません。個人輸入代行での購入は品質確認が難しく、体調不良が生じた際もすべて自己責任となります。安全のために必ず動物病院での診察・処方を受けてください。

月齢が基準以下の場合(小・中型犬6ヶ月齢、大型犬8ヶ月齢、超大型犬10ヶ月齢未満)は推奨されません。

また以下の場合は慎重な検討または禁忌となります:

  • フィラリア検査陽性
  • 発熱・下痢・嘔吐などの体調不良
  • 重篤な疾患(獣医師判断)
  • 明らかな栄養障害・栄養不良
  • 強度の興奮状態にあるもの
  • MDR1欠損症(適切な投与量なら安全とされています)
  • 妊娠中・授乳中(適切な投与量なら安全とされています)
  • てんかん発作の病歴がある(禁忌ではないが、病態を鑑みて判断)